遺品整理のこんな対策
どんなにいいシステムだからといって、すべての関係者に、「デポジットをすればすべてが解決する」という論理は通じません。
デポジットは目的を達成するためのひとつの手段でしかないことを認識すべきです。
デポジットは、関係者(関係させられる」人も含む)が気持ちよく参加してくれるか、どうかがとても重要です。
学園祭という特殊な環境であっても、同様です。
自分が関係させられた時に嫌なシステムを「環境にいいから」とか「決まったことだから」ということで押し付けないようにしなくてはなりません。
「おもしろいね、よいシステムだね」と言われなくてはなりません。
関係者のメリットを多くし、デメリットを少なくしなくてはなりません。
そのためには見えないところで大きな努力をしています。
容器を使う模擬店にはすべて参加してもらわなければ、DRPのシステムが崩壊してしまいます。
模擬店のメリットは、容器を無料で借りることができることです。
容器代がかからない上に、しっかりとした容器を使うのでお客さんの食欲をそそります。
Sが模擬店に貸し出す皿は15種類、極力食べものに合った食器を選べるようにしています。
総計約5500枚、コップは約900個用意しました。
この食器は、いらなくなったものを、Sがメーカーや生協からいただいたものです。
お客さんには、温水で皿を洗ってもらう模擬店、Sにメリットがあるデポジット付き「お皿返却計画」ですが、お客さんにとっては、負担はあってもメリットはありません。
たとえば、学園祭は11月におこなわれます。
「冷たい水」で洗わないと50円返さないシステムを押し付けられたら、普通の買物行動では、お客さんは怒ります。
お客さんの負担を減らしつつ、少しでも気持ちよく参加してもらうことを重視しました。
そこでソーラー温水器2台を販売会社から無償で貸与してもらい、お客さんには夕方からは温水で5皿を洗ってもらうことができ、大変喜ばれました。
温水の利用は、96年からひきつづき行っています。
意識の変革が課題このDRPは、学園祭で食器を使い回すこと自体が目的ではなく、食べものを買う、
デポジットを払う、払わない、皿を洗う、洗わない、というすべての行動において、合意の上でこの企画に参加してもらいたいと考えました。
この参加者の主体的な選択がないと、「お客さんの意識の変革」を達成することができなくなると考えたからです。
そこで、来場するお客さん(学生、職員、市民など)に十分、この企画のシステムと目的を理解してもらうため、広報に力を入れました。
新聞社など、マスメディアへのプレスリリースを行い、広く私たちの活動を知ってもらえるように心がけました。
参加する模擬店には、ポスターでDRP用のお皿を明示するとともに、報道された新聞記事を掲示してもらいました。
食器の洗い場にも企画説明ポスターを掲示しました。
私たちが驚くほどお客さんの反応はよく、DRPを知らずに来場したお客さんもまわりの様子を見て、デポジットを払い、食器洗いに参加してくれました。
デポジット制が効果を発揮したと思われます。
学園祭の中で、「模擬店で買った食べ物のお皿は洗い場に持って行き、自分の手で洗う」という流れが自然に作られたためであると思われます。
なぜなら、「洗って返すと50円」だからです。
この企画は、環境負荷のいっそうの低減と趣旨の浸透、スタッフの負担軽減などの課題を毎年間い直しながら全国各地で行われています
DRPを行わなかった時の影響を調査するため、99年の学園祭では実施を見送りました)。
スウェーデンでは現在、アルミ缶、リターナブルのガラス瓶とペットボトル、自動車を対象にデポジット制度が導入され回収率、再利用、リサイクル率とも高い成果をあげています。
全国一律のデボジツ卜制度スウェーデンの面積は日本の1.2倍ですが、人口は大阪府とおなじ、わずか880万人です。
1982年5月、スウェーデン政府はビールとソフトドリンクのアルミ缶にデポジット制を導入することを決め、全国一斉に施行されました。
旅先で12クローナ(約180円)のアルミ缶のコーラを買ったとしても、自分の住む町のスーパーに持っていけば50オーレ(約7.5円)のデポジットが返金されます。
ちなみに、lオーレの100倍が1クローナ、1オーレは、約0.15円で換算します。
また、スーパーにある回収機にアルミ缶、規定サイズのガラス瓶、リサイクルのペットボトルを回収機に入れるとレシートが出てきて、
それをレジに持っていくと現金にもなるし、買い物の値段からその分を変えてもらうこともできます。
スーパーの棚のコーラもリターナブルペットボトルがならんでいます。
アルミ缶は1個50オーレ(約7.5円)、ガラス瓶はl本60オーレ(約9円)、リターナブ、ルのペットボトルは4クローナ(約60円)、
リサイクルのペットボトルが2クローナ(約30円)、小が1クローナ(約15円)と決められています。
自分が買った缶の容器がデポジットの対象になるかどうかは、環境保護庁のリサイクルマークがついているかどうかでわかります。
アルミ缶回収機が容器を受け付けないときは、スチール缶、外国で買ったアルミ缶、アルミ缶が壊れていたり、バーコードが壊れていて機械で読み取れないばあいです。
スウェーデンの家庭ではガラス瓶、アルミ缶、ペットボトルを台所やベランダである程度の数になるまで貯めておき、
一定の本数になったところで、近くのスーパーまで持っていくことが生活習慣になっています。
デポジットが比較的高く設定されているため、返ってくるお金が結構な額になります。
これが高い回収率のインセンティブ(動機づけ)になっているのです。
もし、ごみ箱にデポジットの対象容器が捨てられていたら、誰かが拾ってデポジットで小遣い稼ぎをするでしょう。
スウェーデン人にとってデポジット制は自然な生活の一部となっているのです。
1885年、スウェーデンでは全酒造会社が共通サイズのガラス瓶を使うことに決めています。
その後形が少し変わりましたが、基本的にはおなじサイズのものが未だに使われています。
全酒造会社が規定サイズのガラス瓶を使用しているので、詰め替えのための運搬が容易です。
小売から酒造会社に戻った瓶は機械で洗浄され、再度飲み物が詰められます。
約40回ほど再使用してガラス瓶が古くなると壊して原料にして、再びガラスの瓶に再生します。
この再生作業はスウェーデンガラスリサイクル会社がおこなっています。
現在はリターナブルのガラス瓶のサイズは0.33リットルと0.5リットルの2種類があり、そのガラス瓶のデポジットとリターナブルのシステムを運営している会社があります。
0.33リットルのガラス瓶のシステムは1885年にデポジット制度開始。
年間販売本数10億本であり回収率98%となっている。デポジット60オーレ(約9円)。
プラスチック容器(ガラス瓶20本入り)のデポジットは24クローナ(約360円)。
さらに0.5リットルのガラス瓶のシステムは1994年にデポジット制度開始したのである。
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